香りつかい

香りつかいが何とも素敵で、それ自体が印象に残る人たちはみんな"香りがついてくる女"だった。

前から見たら何も見えない。

けれどその後ろ姿には、香りが見えます。

明らかに、香りがその人の前に出ることなく、静かにその後からついてくるという情景。

これは美しかった。

目の下のクマ 治療にきた彼女たちの背後に澄んだ香りの帯がすーっと広がり、それはちょうどロイヤル・ウェディングの長ーいヴェールのように見えたりする。

私はそれをすれ違いざまにゆっくりふり返り、スローモーションの画面のように、実際より長い時間見つめる。

うっとりするからスローモーションに惑じる。

何とも神秘的な景色だ。

じゃあ一体どうしたら、香りは後ろからついてくるのか?

単純につけすぎたら、前に出る。

かと言って量を減らすだけじゃ、後ろに神秘的な香りの帯はできない。

そこで考えに考えた末に、私はちょっと妙だが、香りを背中の方だけにつけることにした。

もちろん"正解"じゃないでしょう。

でも後ろから香りがついてくる雰囲気は創れるはずです。

最初はそれでいい。

やがて香りはついてくる。