2011年1月アーカイブ

私は何をしてもダメだったんですけど、唯一、父のその言葉が救いになりました。

父は何にもほめません。

ただ、その一言を怒る前に言ってくれただけでしたが、それがどんなに素晴らしいことだったか。

逆境にあるとき、どうしようもなく困ったとき、自分のレベルよりもっと高いレベルの仕事がきたとき、一瞬どうしようかと思うのですが、最後につきあげてくる思いは「私はなんでもできる娘だから」の一言です。

いま私があるのは、父のその言葉のおかげです。

父のその言葉が、いまの私をつくってくれたのです。

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で町中を飛び回って働いた母は、三年前に亡くなりました。

私を生まなければよかったと言う母には、反抗ばかりしていましたが、兄弟の中では私が一番母に似ているようです。

私にだけさせた物を売り歩くことも、自分が仕事をするようになってみると役に立っていることがわかります。

膏薬とか石けんとかいろいろなものを箱に詰めて、村の端から端まで回って売ってこさせるのです。

商品が全部売れるまで家には帰れません。

やっとのことで、箱を空にして戻ると、その売り上げの中から靴代をくれながら、「靴はこうしないと買えないよ」と言うのです。

他の兄弟にはさせなかったことを、どうして私だけがと思ったものです。

とにかく、兄弟の中では私がいちばんよく叱られました。

悪さをしているのですから当然ですが、父が叱るときに必ず添えるのが「なんでもできる娘だから」という言葉でした。

だからこうしなさい、と言うのです。

父は本当になんでもできる娘だと思っていたようです。

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だけでなく、だからもっとしっかりやれというのです。

くり返し叱られながらも、「なんでもできる娘だから」と言われると、潜在意識の中に到達していくものです。